本当の偉人は「すぐ側」にいる
「あの日の弁当の材料が、何もなかったから芋のつるを入れたのよ。」
女学校時代を語るあなたは、背中が曲がり歩くことすらままならない。
おまけに生きる意欲を失い、誰が声をかけても病床のベットから起きようとしなかった。
「小説は好きだったの。〇〇さんとか」
あなたは次々と、私の知らない名前を悠然と語る。
理不尽な時代の波に呑まれ、
問屋の令嬢は農家に嫁ぎ、
雨に打たれ、風にさらされ、
姑に奴隷のように扱われ。
それでも、命を、この国を必死で守り繋いできた。
誰が偉人でも構わない。でもこんな人達が埋もれて忘れ去られてしまうのは、僕には耐えられない。
「あなたの小説いつか読ませてね。」
あなたと話したあの話を、
僕はいつか現実にしたくて。
あなたの生き様を「誰かに」伝えたくて。
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