この距離、狙ってる気がしてならない。
あなたがもし、私を覚えていたとしても
私の涙を消したとしても。
「夢の中ならいつでも逢える。」
あの日の私は、あなたの目にどう映っていたの?
私がどんなにあなたを想っていたとしても、
もしあなたも同じ気持ちで胸が痛くても。
どうしてすれ違わなければ、諦めるなんて出来ない。
星が違っていたとしても。あなたを離したりはしない。
「指輪が欲しい。」
あの日の記憶が愛おしくて、胸を掻き毟る。
「汚い事はするな。ケチな人間にはなるな。」
そういうと、散らかった部屋の中心に、一際存在感のあるギターを持ち、私の知らない曲を歌いだす。
およそ海に似合わないその姿に、時代が止まったその空間。
海風はどこまでも爽やかで、人の営みを消し去ろうとするけれど。
海はどこまでも青く、そして穏やかで。