「ありがとう」
果てがどこか、誰もみたことのない広い宇宙。
何もわからずこの世界に産み落とされた。
それが何であれ君がいるここが、僕らの世界の中心。
地球と月は毎年4cmずつ離れていくって。
二人が偶然出会い、そして回り始めてからずっと。少しずつ。
月日は流れやがて、終わりが来る。
「ありがとう」
誰が誰に言った言葉がわからないけど。
そうしてまた世界が生まれていく。
「ありがとう」
果てがどこか、誰もみたことのない広い宇宙。
何もわからずこの世界に産み落とされた。
それが何であれ君がいるここが、僕らの世界の中心。
地球と月は毎年4cmずつ離れていくって。
二人が偶然出会い、そして回り始めてからずっと。少しずつ。
月日は流れやがて、終わりが来る。
「ありがとう」
誰が誰に言った言葉がわからないけど。
そうしてまた世界が生まれていく。
「クマのぬいぐるみがかわいいですね。」
僕は勇気を出して、声を掛ける。
「そうなんですよ。」
君が笑顔で返事をくれたから、僕の心は満たされた。
「君の名は?」
愛くるしい君の笑顔が見たくて、
僕は必死で、ほんと必死に言葉を探す。
そんな僕を見透かしたかの様に、笑顔で答えてくれる。君は本当の天使かい?
描いた夢を形にする、明日が待ち遠しくて、
君が輝く、未来が愛しくて胸が熱くなる。
あの花が咲く日を待ちながら。
路地裏の猫が、大きな目を目一杯釣り上げて
僕を見る。
「あなたは何も感じないの?」
僕は君を知らないし、餌もマタタビも持たないから、問い返す。
「君は何をして欲しているの?」
君はゆっくり目を閉じ、つまらなそうに顔を背け、すっと塀の上へと飛びあがりその向こうへと消えて行った。
取り残された僕の瞳は、君の余韻を未だに感じている。